80年代後半、フランスの政府高官が、日本に先端技術の視察にやってきて、筑波の研究機関や民間企業の研究所、工場を見学して回りました。
その後で、ふとつぶやいたといいます。
「いまの先端技術では、ほとんどの分野でフランスが日本より進んでいるのに、産業の競争力では劣っているのはなぜだろう」
・・・その政府高官が頭に浮かべた先端技術とは、いったい何でしょうか。
それはおそらく、宇宙、航空、原子力などであるに違いありません。
フランスの高速増殖炉「スーパーフェニックス」は、86年の1月、世界で初めての商業運転を開始しました。
その電気出力は120万キロワットであり、最大規模の軽水炉と並ぶ本格的なプラントです。
次世代の原子力発電所である高速増殖炉の技術開発では、フランスはアメリカも日本をも圧倒的にリードしています。
航空機では、少々古いが超音速旅客機「コンコルド」の成果があります。
イギリスとの共同開発ですが、フランス政府の方が熱心に進めてきました。
コンコルドはビジネスとしては大失敗でしたが、フランスとしてはきわめて困難であった技術開発の達成を誇りたいところでしょう。