新世界秩序構想を提起するなかで、アメリカはいかなる政策目標をもっとも重視して追求しようとしているのでしょうか。
・・・以上に述べたことから浮かび上がってくるのは、美辞麗句や娩曲な表現をやめて端的にいってしまえば、ソ連が超大国の地位から自ら降りたのを受けて、唯一超大国として残ったアメリカによる一極支配体制を確立するということです。
しかし、アメリカが露骨に力、とくに軍事力、に訴えて国際社会を取り仕切るという政策を追求するとしたら、国際社会が素直にそれを受け入れる条件はあるでしょうか。
第二次世界大戦後のアメリカが一貫して追求してきたのは、まさにその政策でありました。
そして国際社会は、その本質と危険性を、ベトナム戦争を始めとしたアメリカの地域紛争に対する軍事介入の実績を通じて、十分に認識するに至っていたのです。
また、アメリカの国内条件も、露骨な力の政策を追求することに対しては、決して好意的とはいえない状況がありました。